ゆうちょ銀行でお金を借りるには、いくつかの方法がありますが、基本的には、貯金担保自動貸付けについて理解すれば十分です。
これまで、スルガ銀行のカードローンの営業も行っていましたが、提携解消により、新規受け付けがストップしているからです。
ゆうちょ銀行で融資を受ける際にポイントとなるのは、「担保」になります。
担保は、借金返済ができなくなった際に、強制的に換金して弁済に充てるための物や債券のことです。
これらの基本的な金融の知識についても詳しく解説してますので、是非、最後まで読んでみてください。
ゆうちょ銀行(郵便局)でお金を借りる3種類の方法
ゆうちょ銀行でお金を借りる方法には、財産形成貯金担保貸付けと貯金担保自動貸付け、国債等担保自動貸付けの3種類がありますが、現在、新規申し込みが受け付けられているのは、貯金担保自動貸付け1つになります。
金利や返済期間などの条件は、非常に良いですが、利用できる方が限定されています。
まずは、自分がゆうちょ銀行から借入れできるかを確認してください。
財産形成貯金担保貸付け
財産形成貯金担保貸付けというのは、新規の受付は終了していますが、ゆうちょ銀行による融資のサービスです。
300万円を上限に借入れすることができ、ほぼ無審査で融資が決まります。
・財産形成貯金担保貸付けの概要
まず、財産形成貯金担保貸付けの特徴となっているのは、財形定額貯金あるいは、財形年金定額貯金、財形住宅定額貯金のいずれかを担保として提供する点にあります。
担保というのは、借金の返済ができなくなった際に、ゆうちょ銀行に弁済するための物や債券などのことです。
財産形成貯金担保貸付けの場合は、「お金が返せなくなったら貯金を取り上げられても構わない」という契約になっています。
次に融資の限度額は、貯金に利子を加えた額の90%程度、かつ300万円までとなります。
ただし、返済回数は、1~4回までとなっていますので、まとまった金額を返済することになります。
また、1年を365日として利子を日割り計算している点は、カードローンと同じになります。
また、借入れの申込みは、ゆうちょ銀行の窓口まで行く必要があるので、若干の手間を感じるかもしれません。
・財産形成貯金担保貸付けで借りられる金額は?
財産形成貯金担保貸付けで借入れできる金額は、貯金額の90%か300万円のいずれか少ない方です。
仮に300万円の借入れをするには、利子の計算を無視すると約335万円の貯金があることが前提となっています。
金利については、返済をする時の約定利率に0.25%を加えた金利で計算します。
例えば、100万円の借入れをして、返済時の約定利率が0.1%とし、30日後に返済した場合の利息は287円になります。
貯金担保自動貸付け
貯金担保自動貸付けというのは、ゆうちょ銀行の担保定額貯金、または担保定額貯金を担保にする融資の制度です。
財産形成貯金担保貸付けと異なり、現在でも新規の申込みが受け付けられています。
・貯金担保自動貸付けの概要
担保定額貯金や担保定期貯金を担保に提供してお金を借りるサービスとなっています。
担保定額貯金というのは、分かりやすく言うと「自動貸付ができる貯金」のことです。
通常貯金の残高不足で口座引き落としができないときに、「自動貸付ができる貯金」の残高の一定割合を上限に自動で融資をするというのが、この貸付の特徴です。
人によっては、「貯金があるのに何でお金を借りないといけないの?」と思うかもしれませんが、信用情報機関に延滞情報が記録されるのを回避するためではないでしょうか。
また、利子の計算は、半年複利で計算を行っています。
金利は、返済時の約定金利プラス0.25%である点は、財産形成貯金担保貸付けと同様です。
・貯金担保自動貸付けで借りられる金額は?
貯金担保自動貸付けで借入れできる金額は、担保定額貯金などに預け入れした金額の90%以内、あるいは300万円の少ないほうの金額までです。
貸付の回数に制限はありませんので、通常貯金の残高不足が何回あっても、限度額までなら対応できます。
また、返済については、通常貯金に預け入れすれば、自動で返済したことになります。
カードローンのようにコンビニにすら行く必要がないので、非常に便利な貸付制度となっています。
国債等担保自動貸付け
国債等担保自動貸付けも新規受け付けが終了してしまいましたが、国債を担保にした融資の仕組みです。
ゆうちょ銀行か郵便局の窓口で購入した国債を担保として提供し、国債の額面金額の一定割合のお金を借りることができます。
・国債等担保自動貸付けの概要
国債等担保自動貸付けは、簡単にいうと購入した国債を担保に提供してゆうちょ銀行からお金を借りる方法です。
国債というのは、国が国民からお金を借りたことを証明する証券のことです。
国債という証券を持っていれば、満期になったときに国からお金を回してもらえるものです。
つまり、国に対する請求権を担保としてゆうちょ銀行に提供し、その代わりにゆうちょ銀行からお金を借りるのが国債等担保自動貸付けというものになります。
ここで担保として提供できる国債には、利付国債と個人向け国債の2種類がありますが、ゆうちょ銀行か郵便局の窓口で購入していることが条件となっています。
・国債等担保自動貸付けで借りられる金額は?
国債等担保自動貸付けで借入れできる限度額は、国債の額面の80%までとなっています。
ただし、1人につき200万円という上限もありますので、いずれか少ない方が限度額となります。
ゆうちょ銀行から200万円のお金を借りるためには、少なくとも、250万円分の国債を持っていなければならないということです。
お金を借り入れするときは、ゆうちょ銀行から自動で手続きが行われます。
通常貯金の残高よりも高額な払い戻しが行われた際、不足している分を限度額の範囲内でなんどでも貸付してくれます。
ゆうちょ銀行「自動貸付」の利用期間ってある?
ゆうちょ銀行の貯金担保自動貸付けでは、貸付の期間について、貸付の日から2年と定めています。
ただし、担保定期貯金が担保となっている場合で、2年以内に担保定期貯金が満期を迎えるときは、満期日までが貸付の期間となります。
例えば、通常貯金の残高よりも1万円多く払い戻しをした場合、2年間は、返済をする必要がないということです。
返済をする場合は、通常貯金に1万円+利息の金額を入金すれば、自動的に返済をしたことにしてくれます。
また、別の日に通常貯金の残高よりも多いお金を払い戻した場合は、その日から2年間は、返済の義務がないという仕組みです。
カードローンとは異なり、少し分かりにくい仕組みですが、借りてから2年間は返済せずにすむというのがゆうちょ銀行の融資です。
ゆうちょ銀行「自動貸付」の必要書類は?
ゆうちょ銀行の自動貸付による融資を受けるには、担保定額貯金や担保定期貯金の口座があれば、基本的には、書類不要で申込みができます。
ただし、ゆうちょ銀行の窓口で本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)の確認が求められることもありますので、念のため持参するようにしてください。
なお、担保定額貯金や担保定期貯金がない場合は、貯金口座を開設してからの利用になりますので、本人確認書類と届け出印、預け入れるお金が必要になります。
すべて窓口での手続きになりますので、忘れ物をしないためにも、事前に電話で問い合わせをしてから手続きに行くようにしましょう。
ゆうちょ銀行ATMと郵便局の営業時間に注意
ゆうちょ銀行で融資を受けたいときは、窓口に行く必要がありますので、ゆうちょ銀行の営業時間に注意が必要です。
また、ゆうちょ銀行ATMについても、事前に把握しておくと安心ではないでしょうか。
ゆうちょ銀行の窓口は、基本的には平日の9:00~18:00が営業時間となっています。
ただし、土日や祝日にも営業している店舗も増えてきています。
店舗によっては9:00~16:00までが営業時間になっていることもあるので、来店する前に確認しておくようにしましょう。
なお、ゆうちょ銀行ATMについては、ファミリーマート設置のATMと提携していますので、そちらを利用するのが便利です。
ファミリーマートで自分の貯金口座から残高以上のお金を引き出せば、それが自動貸付になります。
ゆうちょ銀行(郵便局)でのフリーローンってあるの?
ゆうちょ銀行には、残念ながらフリーローンでの融資は行われていません。
これまでスルガ銀行の「パーソナルローン(フリーローン)」の販売をしていましたが、スルガ銀行の行政処分をきっかけに2019年6月28日(金)をもって新規受け付けを終了しています。
もし、フリーローンでお金を借りる必要がある時は、他の消費者金融か銀行のサービスを利用することになります。
フリーローンは、目的を定めずにお金を借りることができ、非常に利便性が高いサービスです。
カードローンのような無駄使いをしてしまう危険性も少ないと思います。
アルバイト収入などがあれば、申し込めますのでゆうちょ銀行以外のサービスを選んで下さい。
ゆうちょ銀行カードローン「したく」のサービス終了
するが銀行のカードローン「したく」は、2018年10月31日の受付分をもって、ゆうちょ銀行での新規の申込みが終了しています。
したくは、スルガ銀行が積極的に宣伝をしていましたが、スルガ銀行に行政処分が下されたことをきっかけに営業を控える形となりました。
スルガ銀行の行政処分は、シェアハウス向けの融資や不動産投資向けの融資において不正が行われ、金融庁に対する報告も実態と異なる内容だったことが原因となっています。
ゆうちょ銀行に問題があったわけではありませんが、スルガ銀行の印象がとても悪いので、スルガ銀行のカードローンを扱わない形になったということです。
担保がないとゆうちょ銀行(郵便局)でお金を借りられない!?
ゆうちょ銀行からの融資の最大の問題点は、担保がなければいけないということです。
言い方は悪いですが、国債や貯金などの資産がない人には、融資をしないという方針です。
逆に、提供する担保を用意することができない場合は、無担保・無保証人のカードローンなどしか選べなくなります。
融資の条件が悪くなってしまいますが、ごく少ない金額を短期間だけ借入れする、という使い方なら多重債務者になる心配はありません。
無利息サービスがあるカードローンを選ぶことで、金利の負担を抑えることも不可能ではなくなります。
JPBANKカードのキャッシング枠でお金を借りる方法もある
JP BANKカードというのは、ゆうちょ銀行が提供しているクレジットカードの名称です。
JP BANKカードに申込みをすれば、一定の審査はありますが、キャッシング機能をつけてもらうことも可能です。
JP BANKカードのキャッシングは、最高50万円までの限度額が認められるもので、金利は年率15.0%となっています。
一般的な消費者金融のカードローンとの違いは、毎月一定の最少返済額については、ゆうちょ銀行の口座からの引落しがされます。
最少返済額を上回る返済をするときは、セブン銀行などの提携ATMを利用することになります。
消費者金融のカードローンと比べて、若干利便性に劣っていますが、金利が年率15.0%なので、融資の条件は消費者金融よりも良くなっています。
ゆうちょ銀行(郵便局)ででお金を借りる注意点
ゆうちょ銀行でお金を借りる場合は、JP BANKカードのキャッシングを除き、すべて担保が必要となっています。
さらに、返済日に返済することができなければ、担保から強制的に返済をさせられることになります。
また、融資の申込みが、原則としてゆうちょ銀行の窓口となっていますので、日中に手続をしに行かなければいけないというのも問題となります。
もし、ゆうちょ銀行に提供する担保がなかったり、日中に手続をする暇がないという方は、別の方法でお金を借りることも検討してみてください。
ゆうちょ銀行にこだわる必要はありませんので、自分に合った方法を探すようにしましょう。
必ず担保が必要になる
ゆうちょ銀行の融資は、必ず担保が必要になります。
担保は、借金を約束どおりに返済できなかったときに、強制的に換金して返済に充てるための物や債券のことをいいます。
ゆうちょ銀行では、貯金担保自動貸付けにおいて、担保定額貯金、または担保定額貯金を担保に提供することになります。
担保定額貯金などがなければ、残念ながらゆうちょ銀行からの融資は、受けられなくなります。
提供する担当がない方は、別の手段でお金を用意するようにしましょう。
返済されないと担保から払い戻し
ゆうちょ銀行の融資では、担保を提供していますので、約束どおりに返済がされないと、担保を強制的に取り上げられてしまいます。
ただし、担保価値を上回る融資はしていませんので、借金で身を滅ぼすようなことにはなりません。
もし、ゆうちょ銀行に担保を取られるのが困るという場合や、提供する担当が用意できないときは、カードローンなどを選ぶしかありません。
カードローンは、金利の面で条件があまり良くありませんので、しっかりとした返済計画を立てることが重要になります。
カードローンの会社の公式サイトには、返済シミュレーションが用意されていますので、カードローンを利用する場合は、必ずシミュレーションをしてから申込むようにしましょう。